Koike's Lemma

ITやビジネスに関する雑記

本当に「日本はスマホの超後進国」なのか?

今日はこの記事についてコメントしたい.

Google様はいいました「日本はスマホの超後進国」。このままでは世界に取り残されると思う政治家に読んで欲しい | More Access! More Fun!

記事の内容をざっくりとまとめると,こんな感じ.


でも,スマートフォンを使わないと本当に情報収集力が低くなるのだろうか?
上記のGoogle調査資料の中で,Googleは,スマートフォンが消費者行動やショッピングを変えたと述べているが,具体例を見てみると日本ではスマートフォン以前からできていたことばかりであり,何かが変わったようには見えない.
実際,日本では携帯コンテンツ(+コマース)の市場はスマートフォン普及前から十分大きかった.下記の図はモバイル・コンテンツ・フォーラムのモバイルコンテンツ市場に関する資料の一部で,上図は日本のモバイルコンテンツ関連市場(コンテンツ+コマース)の市場規模の推移であり,下図はモバイルコンテンツの内訳である.スマートフォン普及以前(2010年以前)も市場規模は十分大きかったことが見て取れる.
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そもそも「スマートフォン」とは何か?
もし上記Google資料に記載の機能を搭載している端末をスマートフォンと呼ぶのであれば,日本のフィーチャーフォンは,むしろスマートフォンに分類されるべき端末と言える.そう考えると日本ではスマートフォンの普及率が低いのではなく,単にGoogleAndroidの普及率が低いだけだと言える(iPhoneは好調みたいだし).
上記ブログ記事に合わせた言い方をするならば,『Google様は言いました「日本では俺様のAndroidのシェアが低すぎる」』となるだろうか.
フィーチャーフォンも含めて考えれば,通信料は特段に高い訳ではないし,何か特別な政策が必要な状況では無いように思われる.


なお,上記の筆者はスマートフォン(フィーチャーフォン含まず)のシェアがもっと大きくなるべきだと考えているようだが,政治の力に頼らなくても自然に大きくなっていくと思われる.これは各通信キャリアの端末のラインナップをみれば明らかだと思う.上記筆者の別のブログ記事ではドコモの端末売り上げランキングの2位,3位にフィーチャーフォン入ったことが取り上げられているが,1位のスマートフォンと大差が付いていることは間違いないと思われる.実際,そのブログ記事に記載されている調査ではスマートフォンのシェアは順調に大きくなっている.
また,端末の技術基準適合証明の廃止について提案されているが,個人的には何らかの仕組みはあったほうがよいと思う.携帯電話の発する電波は他の端末にとってはノイズになるわけで,正しい仕様で電波を扱っているということを確認するプロセスは必須だと思う.